【書評】別冊新評 <全特集>星新一の世界

1976/12/10 刊行

どこで買ったか

京都の古本屋、三密堂書店にて購入。

なぜ買ったか

星新一に関して、また昭和40年代前半刊行の書籍だったため興味を持った。

どういう本か

星新一についての評伝や彼の書いたコラムの掲載、関係者による寄稿文など。

星新一がもたらしたショート・ショートへの功罪

この「星新一の世界」内で特に私が印象に残ったのは、 P.178 – P.180 に掲載されている、大西赤人氏の「開拓者(パイオニア)星氏の引き起こした副作用 ――星氏の航海の渦から抜け出すことの困難さ――」と題した考察だ。この中で、星新一氏が残したショート・ショートの定石、功罪と行ったことに関して言及されている。

私も思うのは、確かに、ショート・ショートといえば、彼の作品のような、 SF をテーマにした作品で、平坦な文体で、最後にどんでん返しのオチがある…といったものを指すようになったと思う。他の作家のショート・ショートに触れていないのでまだその意識があるのかもしれないが、多くの人は――少なくとも「ショート・ショート」という言葉を知っている人は――そういう認識であると思う。

この点が、「星新一らしさのある作品がショート・ショートであり、評価されるべきもの」という、誤った固定観念を生み出してしまう一因になってしまっているのではないだろうか。

まとめ

全文読んでいないが昭和 40 年代当時の広告なども掲載されており、当時の情勢なども知れる貴重な書籍だ。

しかしこの本、婦女子方々には良さがわからんでしょう。なぜって、広告をご覧なさい。新型車の発表、生命保険、製紙会社の案内。どう見たって、若い女子が歓声を上げる類のものでは、ないでしょう。

というわけで、読んでいて面白いと感じるのは、少なくとも30代以上の男性で、星新一やショートショート、 SF といったものに興味がある層、ということになるでしょうな。

なぜ、自分でもこんなにこの当時の世相を色濃く残す書籍に、強く心を惹かれるのか。理由がよくわからないのだが、よくわからないこそ、潜在意識に刷り込みがあるのやもしれん。

個人的に現代の横組の文字や縦組みでも級数の大きい文字は若干読みづらく感じる。昭和 40 年代~ 60 年代の書籍が漢字かな混じり、文字の級数、印刷・製本の具合などにより非常に読みやすいと感じることが多い。これは幼い頃から親しんでいた書籍の影響によるものが大きいのだと思う。

この時代の書籍を読んでいると、自分も長編・短編小説やエッセイなどを書き上げてみたい、と思う。なんにせよ、まだ全ページ通読していないので、読むのが楽しみだ。

京都で開催される夏の古本市、下鴨納涼古本まつりについて

冒頭で紹介した三密堂書店さんは、2019年8月11日~8月16日に開催される、下鴨納涼古本まつりにも出店されるようだ。こちらのイベントにも、足を運んでみたい。

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