憧れの古道具店。 – 【書評】神戸栄町アンティーク堂の修理屋さん

「神戸栄町アンティーク堂の修理屋さん」読了。

タイトルの「神戸栄町」の文字が目につき、またアンティークといった古道具にも興味があったため、購入した。作品分類はライトノベルで、文章全体は平易に書かれているため読みやすく感じた。

作品を読んで全体的な印象として、主人公の都合よく話が進んでいるように感じられる部分が多かった。理由として、登場人物との絡みも、最終的には大団円で終わってしまう。作品の流れとしては問題ないのかもしれないけれど、もう少し引っ掛かりがあったほうが作品としては印象に残るのではないか、と思った。

作品自体は神戸を舞台にしていることもあり、見知っている地名が出てくると嬉しくなる。

栄町の古道具屋を主人公が祖父から引継ぎ、そこでもともと働いていた職人の女性と一緒に働くことになり、持ち込まれた古道具を通じて依頼主の問題解決にあたり、主人公が精神的に成長していく、というストーリー。 主人公が勤める古道具屋は表題どおり栄町にある設定で、一部東京方面への移動もあるが、基本的には神戸近郊で物語は完結する。

作中で主人公自身が語っているせいもあるが、性格が女々しいと感じることが多いかもしれない。これは、おそらくメインターゲット層になるであろう男性読者を意識しての設定ではないだろうか。 ただ、このジャンルの小説を読む層には同世代女性が多いイメージもあるので、そのような女性からは反発を受けそうな設定であるように感じた。この辺りが、先の”ご都合主義”に感じた要因のひとつ。 逆に主人公への感情移入がうまくいけば満足度は高くなると思う。

終わり方は少し物足りない、彼らの今後が気になる終わり方だったが、これくらい余韻が残っているほうがいいのかもしれない。