”自分らしさ”とは。現代社会を冷静に切り取る – 【書評】コンビニ人間

芥川賞受賞作品、ということで話題になっている「コンビニ人間」読了。

あらすじは、子どもの頃から”周りと少し違う”女性が、世間との違和感に戸惑いながらコンビニ店員として働く姿を描く。女性は毎日同じように「コンビニ人間」として働いていたが、ある1人の男性が現れたことにより、女性の平凡な日常は徐々に変化が訪れていく―

というように、あらすじだけ見れば、持って行き方によってはサスペンスや恋愛ものとしても成立しそうなのだが…。

現代の空虚な世界観を反映しているような雰囲気があり、たまにブラックな笑いが出る場面があるものの、精神的に参っているようなときに読むのはやめておいたほうが良い。芥川賞受賞作品という、文学的に評価できるのは理解できるが、感情面ではかなりきつい作品だと思う。読後の爽快感を求める人にはオススメできない。

作中の登場人物の誰にでも当てはまるようにも思えるし、誰でもないようにも思える。自分自身、社会という枠組みの中にいる1人にすぎない。私も周りの誰かのコピーであるかもしれないし、全く別の誰かであるかも…。

誰に勧めたらいいのか分からない。話題になっているからといって安易に手を出すとヤケドするな、と思った。だからといってネタバレを見てしまっては面白くないし、選書は難しい…。(これはアレか、湊かなえ作品を読んだ時と同じ感情か…。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です